冷間仕上転造加工について

弊社の行う冷間仕上転造加工は、さまざまな加工の問題を解決できます。

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冷間仕上転造加工」について

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冷間仕上転造加工とは?

「冷間転造」とは?

「冷間転造」は、「冷間ローリング」とも、「コールドローリング(Cold Rolling)」とも、また、「コールドローリング」の頭文字をとって、「CR」とも呼ばれています。

読んで字の如く、熱を加えず冷たいまま(常温)で素材(ブランク)を回転させながら圧延していくリング加工技術です。

ブランク(加工前の素材)は、内外径がワーク(加工後の完成品)より小さく同重量で、基本的に内外径ストレートなリング形状のものです。つまり、ブランクはワークより肉厚なのです。また、なぜストレートかというとリング加工の場合ブランクは内外径ストレート形状のものが一番簡単で安価で作れるからです。
そしてそのブランクを加工したい形状に設計された2つの治具(内径用と外径用)にはさんで回転させながら圧延(転造)し、ワークを形成して付加価値を付ける加工方法が「冷間転造」です。

「冷間転造」はさらに、「冷間アラ転造」(「黒皮シーアール」ともいう)と、「冷間仕上転造」(「仕上シーアール」ともいう)とに大きく分かれます。

「冷間転造」という工法自体は以前から存在しますが、「冷間アラ転造」が殆どを占め、冷間転造した後、さらに旋削工程を数工程施さねばならないという加工方法です。

もちろんこの「冷間アラ転造」でも初めから旋削のみで加工するよりは材料歩留まりは向上します。

しかし当社の得意とする「冷間仕上転造」は、後に旋削加工を施さない工法でさらなる材料歩留まりの向上が可能です。

次工程でサイジングという工法を用いワークを絞り最終的に求められる寸法・真円度を決定して加工終了です。旋削加工をしていませんので、加工前の素材と、完成品は同重量となります。

冷間仕上転造加工のメリット

品質の向上

塑性加工(金属を削らず変形させる加工)であるため以下の様な機械的性質が改善されます。

・強度
・耐摩耗性
・引っぱり強さ
・硬さ
・衝撃値
・疲れ強さ



材料歩留の向上

従来一般的な加工方法として行われていた旋削加工と異なり、切り粉を出さない加工方式です。 したがって大幅な材料歩留まり向上(20〜30%)が見込まれるメリットがあります。

【メリットを大きくするためのポイント】

  1. 内外径部に回転方向に大きな形状があれば(たとえばR形状)メリット大

    逆に内外径ストレートな仕上り品はメリット無し。但し面粗度はラッピング並み(Ra<0.1um)に良くなります。

    但し、内外径ストレートな薄肉リング作製は旋削加工の様にチャッキングによるひずみが出ず、また素材が仕上り品より小さな径で肉厚になるため材料コストの低減につながりメリット大
  2. 仕上り品が大きいほどメリット大
  3. ロットが多いほどメリット大
  4. 単価の高い素材ほどメリット大




寸法精度が高く、加工面がきれい(Ra<0.1um)

  • 治具さえ高精度に作っておけば、非常に形状のそろった製品が大量生産可能です。
  • 旋削加工のようにバイト目が加工後に付かず、ラップしたような表面粗さが求められます。
  • 旋削に使用するバイトは使用しないため、刃の磨耗による寸法変動が発生しません。
  • 旋削の場合、素材の金属組織は分断されますが、治具の形状に沿って延びるため強度が向上します。

【寸法公差事例】
●Φ100XΦ96X15の薄肉リング(公差の厳しい製品、特に内径)
外径寸法±0.05、内径寸法一0.10〜-0.06、幅寸法±0.1
内外径真円度≦0.05、同軸度≦0.05

●Φ110XΦ95X27 (軌道径Φ102.5)のピ口ーベアリング外輪(検査項目の多い製品)
外径寸法±0.05、内径寸法±0.1、幅寸法±0.1、軌道径寸法±0.06
内外径、軌道径真円度≦0.05、外径球面度±0.05
外径球面中心の偏り≦0.05、軌道径R8.15±0.04
軌道径中心の偏り≦0.08、幅不同≦0.05、軌道径ラジアル振れ≦0.05
軌道径アキシャル振れ≦0.05,シール径寸法±0.1、シール入口寸法±t0.1

●Φ70XΦ55X35 (軌道径Φ61)の等速ジョイントケージ、
外径寸法±0.05、内径寸法±0.1、幅寸法±0.1、軌道径寸法±0.05
内外径、軌道径真円度≦0.05、外径球面度±0〜+0.1
外径球面中心の偏り≦0.05、軌道径球面度一0.1〜±0
軌道径中心の偏り≦0.05 (単位mm)

不良率の減少

従来、旋削単能盤を3〜4台並べて、1台に付き2工程位しかできなかった仕事が、わずか1台、1工程で、内外径の形状を1発加工できます。 したがって各工程に発生する品質のバラツキが少なくなり、さらに加工洩れによるケアレスミスも防ぐことができるため、不良率が低減します。

工程比較(例)

工程比較(例)

冷間仕上転造加工の性能

冷間仕上転造加工は、旋削加工と異なり、切り粉を出しません。 よって、加工前の素材と、完成品は、同重量となります。 まさに省資源・省エネルギーな金属加工方法です!
どの企業様にとっても、この『冷間仕上転造加工』のニーズは無限に拡大できるものと確信しております。

加工材質実績 SUJ材、SCM材、SCR材、SUS材、SOOC材、SACM材、SNCM材、STKM材、
アルミ、焼結合金、燐青銅、その他各種鋼材
※その他材質はご相談に応じます。
寸法公差 (例)外径100mm前後で、内外径幅±0.05mm以内
真円度:0.05mm以内
加工能力
機械A・・・外径160、 幅60まで(単位:mm)
機械B・・・外径130、 幅40まで(単位:mm)
機械C・・・外径60、 幅30まで(単位:mm)

「冷間転造加工」と他の加工との違い

1 )旋盤加工との違い

  • リング状の製品に加工するという点では同じです
    しかし、「冷間仕上転造加工」は素材を削らないため余分な 材料ロスがありません。
    よって、コスト削減につながります。
  • 治具さえ高精度に作製すれば品質の安定した製品が1工程で量産可能です。
    よって、不良が減少します。
  • バイト目もなく、ラッピングしたような面粗度(Ra<0.1um)が求められます。
    よって、製品によっては研磨工程が省けます。
  • 素材は治具に沿って延びるため、金属組織が分断されません。 よって、製品の強度が向上します。

2 )鍛造加工との違い

よく「冷間鍛造」と間違えられます。
音声がよく似ているからでしょうか?一般的に「冷間鍛造」は知られていますが「冷間転造」はご存じない方が多いからでしょうか。 鍛造加工も塑性加工という点では同じです。

しかし、鍛造はプレスで素材に圧を加えて成型するのに対し、転造は基本的に内外径ストレートなリング形状の素材を外径に形状をつけるための治具と内径に形状をつけるための治具とではさみ、圧を加えながら回転をさせ内外径に形状を加えて付加価値を出しています。

3)他の「冷間転造」との違い

強い力を加えて素材を回転させながら変形させる塑性加工という点では同じです。しかし、この場合の「冷間転造」は棒状の加工素材を回転させながら転造ダイスと呼ばれる治工具により成形する方法です。
よく知られる製品として有名なのが「おねじ」の加工方法です。

他には、スプライン、セレーション、ウォーム等のような回転対物体である機械要素部品の加工にも用いられます。